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▼ 海外での活動

スタッフ日記
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ジャトロファ事業の開始

ナンヨウアブラギリの複合的利用による環境保全型地域開発

 インドネシアの中でも東ヌサトゥンガラ州は、乾燥した気候の中、荒れた土地が多く、産業も未発達で、住民の生活も厳しい地域です。APEXでは、東ヌサトゥンガラ州のフローレス島で、荒れ地でも生育し、種子から軽油代替燃料が採取できるジャトロファ(和名:ナンヨウアブラギリ)という植物を多面的・複合的に利用しながら、環境保全と住民の生活向上が両立するような地域開発のモデルを形成しようとする事業に取り組んでいます。この事業は2008年9月から開始され、2011年10月までは、外務省の日本NGO連携無償協力対象事業「インドネシアにおけるナンヨウアブラギリの複合利用による環境保全型地域開発」として実施しました。外務省の助成期間が終了した、2011年10月以降は、自立的に運営を続けています。

事業地(フローレス島)の場所(インドネシア全図)

ナンヨウアブラギリとは

ナンヨウアブラギリの果実 ジャトロファ(Jatropha curcas、和名:ナンヨウアブラギリ)は、トウダイグサ科の多年生小喬木〜潅木(高さ3〜5メートル)で、その種子から軽油代替燃料となる油脂が採れます。油脂には毒性があり、食用には適しません。乾燥に耐え、害虫に対する耐性もあって、農地には適さないような乾燥地・荒地でも生育します。

 アブラヤシからの油脂も同様に燃料になりますが、アブラヤシは肥沃な土地を使うので食糧と競合し、また森林を切り開いてプランテーションにする場合が多いのに対して、ジャトロファは、未利用の荒地を緑化しながら油を生産できるところが異なります。

事業の背景

1.貧困

 インドネシアでは、総人口の12.4%(2011年)が貧困ライン以下で生活していますが、中でも東ヌサトゥンガラ州は最も貧困な州のひとつです。同州は乾燥した気候の中、痩せた土地や荒れ地が多く、農業の生産性はあまり高くありません。住民の多くは農業や漁業に従事していますが、その収入は低く、今回の事業の対象地域では一ヶ月当たりの世帯収入が25万〜50万ルピア(3,000〜6,000円)程度の住民が約半数を占めています。

2.森林破壊と荒れ地

未利用の荒地 また、インドネシアでは森林破壊が急速に進んでいますが、森林伐採跡地等は荒地化する場合が多く、同国の森林省は、インドネシア全土で約7800万ヘクタールの荒れ地があるとしています。また、同じく森林省のデータによると、東ヌサトゥンガラ州の総面積全体の約9割が痩せた土地に分類されます。

3.エネルギー事情

 インドネシアは、以前は原油の輸出国でしたが、2004年から正味の輸入国に転落し、インドネシア政府は、石油依存度を減らし、エネルギー供給源を多様化していこうとしています。2006年の大統領令第5号で、2025年におけるエネルギー源の構成に関する目標が定められていますが、その中で、バイオ燃料は全体の5%のシェアを占めるものと位置付けられています。

4.水不足

共有の水汲み場に集まる女性や子供 水不足の問題も深刻で、インドネシアでは安全な水にアクセスすることが出来ない人の割合が、都市部で18%、農村部では36%に達するといわれています。今回の事業対象地域も年間降水量が800〜1500mmと比較的乾燥した気候のため、水が不足しています。

5.電力不足

 また、東ヌサトゥンガラ州は電化率が約3割と同国で最も低いレベルにあり、照明用電源を電力公社以外に頼る家庭が67%もあります。


 そこでAPEXでは、ジャトロファを複合的に利用することで、環境を保全しながら燃料や電力、水を供給し、住民の収入や生活を向上させる事業を開始することにしました。ここで開発される地域開発モデルは以下の活動から構成されます。

  1. 良質なジャトロファの苗木の育成
  2. それらの苗木による荒れ地の緑化
  3. 収穫された種子による軽油代替燃料の生産
  4. 廃棄物(搾りかす、果実の殻)の利用によるコンポスト生産およびガス化発電
  5. 発電の際に生じる廃熱を利用した海水からの淡水生産
ジャトロファ事業全体スキーム フローレス島シッカ県地図

外務省助成期間中(2008年9月〜2011年10月)の活動内容

1.ジャトロファの植林による荒地の緑化

荒れ地への苗木の植栽 まず、第1年次にはシッカ県レロロジャ村で住民の参加を得て20万本のジャトロファの苗木を生産し、同村内の荒れ地に植栽しました。第2年次には、さらに30万本の苗木を生産し、第1年次と合わせて50万本の植栽を終えました。
植栽後の苗木は基本的に住民が自主的に管理していますが、APEXとしても家畜・火災などによる被害から守るための巡回や雑草除去などの支援を行いました。

2.ジャトロファ・センター、種子集積場の建設

ジャトロファ・センター事務所と種子貯蔵倉庫 事務所、種子貯蔵倉庫2棟、生産棟、廃棄物処理場、精製油貯蔵所からなるジャトロファ・センターを、シッカ県ワイルブレレル村にある現地側のパートナー団体、ディアン・デサ財団の農園内に建設しました。ジャトロファ・センターには、搾油・精製設備のほかにバイオマスガス化装置、種子予熱器、焼却炉、海水淡水化装置、分析設備などが設置され、同センターは種子収集、軽油代替燃料生産、事業運営の拠点として利用されています。
 また、レロロジャ村には種子集積場を建設し、種子収集の拠点としました。

3.種子の搾油・精製設備プロセスの検討と設置

搾油作業の様子 第1年次に植えたジャトロファが結実しだした2010年1月より、レロロジャ村からの種子の試験的買い取りを行い、小規模装置による搾油・精製テストを行いました。その結果をふまえて、第2年次の2010年8月には種子処理能力700kg/hrの搾油・精製本設備の主要部分を設置しました。


4.精製油の利用

ジャトロファ油を燃料に用いたディーゼル発電機の運転 インドネシアの電力公社(PLN)東ヌサトゥンガラ州支社との協力の下に、2010年7月にはジャトロファ油をディーゼル発電機用の燃料として使用するテストを行いました。その後、2011年6月から、実際にディーゼル発電機用の燃料(ただし、軽油との混焼)として、PLNの小規模な発電所へのジャトロファ製品油の供給を開始しました。そこで得られた電力は、近隣の一般家庭に供給されています。

5.廃棄物・廃熱の利用

ジャトロファ・センターに設置されたバイオマスガス化本設備 搾油の際に発生する搾り粕は、窒素・リン・カリウムなど植物の成長に必要な栄養素を多く含んでおり、この事業ではこの搾り粕を原料にしてコンポストを生産しています。また、果実の殻などのジャトロファの廃棄物をガス化して、生成したガスをセンター内のディーゼル発電機用燃料として利用するためのガス化装置、さらに、ディーゼル発電機の廃熱を利用して海水を淡水化する小規模な試験装置も設置・運転しています。

6.住民のトレーニング

ハビ村で行われた苗木生産・植栽・養生に関するワークショップ 2010年10月から2011年2月にかけて、シッカ県および近隣の県内の計39村で、ジャトロファの苗木生産・植栽・養生に関するワークショップを開催しました。ワークショップには、のべ1500名以上の住民の参加がありました。ワークショップの際には5万本の苗木のほか、約35万本分の苗木生産・植栽に必要な資材(ポリバッグ、殺菌剤など)を住民に提供しています。

7.ネットワーク作り

ジャトロファに関する全国的セミナーの様子 このようなジャトロファ栽培による地域開発モデルの他地域への普及や関連するネットワーク作りのために、ニュースレターを6号(各号500部)発行し、インドネシア各地の政府機関やNGO、大学などに配布しました。また、2011年9月15、16日には、フローレス島マウメレでジャトロファに関する全国的なセミナーを開催し、初日のセミナーには約100名、2日目の現地視察ツアーには約40名の方が参加しました。

助成期間を終えて

 以上のように、3年間の助成期間に渡る活動を通じて、当初計画されていた活動目標は、海水淡水化は試験装置にとどまるなどの一部の変更を除いて達成することができました。インドネシアではなかなか成功例のないジャトロファ事業で、栽培から搾油、精製油および副産物の利用までの一貫したシステムを構築したことは本事業の成果であると思われます。

 しかし、ジャトロファは、収穫量が一般にいわれるより相当に低く、また収穫作業が労働集約的であるため、十分な収集量を確保するのは容易なことではありません。環境保全の効果が現れ、事業が住民の生活向上に十分寄与するようになるまでにはもう少し時間を要するのが現状です。助成期間終了後も、現地では事業の自立的運営に向けて努力を続けています。(ジャトロファ事業の自立的運営に向けて

事業完了報告書

 外務省の日本NGO連携無償資金協力助成期間中の事業内容については、以下の第1年次〜第3年次の事業完了報告書をご参照下さい。
 第一年次事業完了報告書(PDF, 989kb)
 第二年次事業完了報告書(PDF, 1,350kb)
 第三年次事業完了報告書(PDF, 1,603kb)

CDM/JI事業調査報告書

 この事業は化石燃料である軽油の代替となる燃料を生産するという点で、地球温暖化防止にも貢献できます。そのため、CDM(クリーン開発メカニズム)という制度を利用して、この事業で削減された炭素クレジットを販売することが出来れば、事業の経済性が向上し、より安定的に事業を継続することができます。

(※)CDM(クリーン開発メカニズム)とは京都議定書内で定められた京都メカニズムの一つであり、排出削減が義務付けられている先進国が開発途上国などにおいて温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施した場合に、削減できた排出量の一定量を先進国がクレジットとして得て、自国の削減分として充当できる仕組みです。

 この事業では、地域の発電所にあるディーゼル発電機用の燃料(軽油)をジャトロファから生成された燃料に置き換えることで、年間約1,100トン(代替燃料生産量を400トンと仮定した場合)の二酸化炭素の排出量が削減されることになります。この削減量はCDM事業としては小規模ですが、CDM化が実現されれば、このプロジェクトをモデルとした同種の事業の他地域への普及の可能性が広がることが期待されます。

 そこで、APEXでは事業のCDM化の実現可能性を検討するため、三菱UFJ証券株式会社(現在の三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)と協力して調査を行なうことにしました。2009年7月には三菱UFJ証券が提案主体となり、APEXやAPEXの関連会社である適正技術研究所、ディアン・デサ財団が調査に協力する形で、財団法人地球環境センター主催(環境省委託)の平成21年度CDM/JI事業調査に応募し、無事採択されました。

2010年3月にはこの調査が終了し、事業の背景となる社会的・経済的データのほか、事業の技術概要、CDM事業の実現可能性、利害関係者のコメントなどがまとめられた報告書が公開されているので、是非ご覧いただければ幸いです。

(CDM/JI事業調査結果)平成21年度:インドネシア・東ヌサトゥンガラ州におけるジャトロファ複合利用による地域開発CDM 事業調査

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