排水処理プロジェクト−中小産業排水への取り組み
■排水処理適正技術センター(JICA開発パートナー事業)
2001年10月から2004年9月まで、ジョクジャカルタに排水処理適正技術センター(PUSTEKLIM)を創設・運営する事業をJICAとの協力のもとに実施しました。
深刻化するインドネシアの水質汚濁問題の緩和・解決のために、インドネシアに適した中小産業向けの排水処理技術を開発し、それを普及させていくのがこのプロジェクトの目的です。プロジェクトの目的、活動と成果、評価指標等が定義されたPDM(プロジェクトデザインマトリックス)の中では、「インドネシアの中小産業(ホテル、病院を含む)に適した排水処理技術が開発され、その普及のためのシステムが排水処理適正技術センターにおいて確立される」ことが目的として定められました。
この目的を達成するために、排水処理適正技術センターの設立、適正技術開発、人材育成、情報蓄積・情報サービス、ネットワーク形成の5つの分野の活動を行うことが計画されました。以下、それぞれの分野ごとに成果をご報告します。
1.排水処理適正技術センターの設立
11名が事務作業のできる事務室、60名収容可能な研修室、排水分析室、情報機器、研修用機器を備えたセンターが開設され継続的に活動を実施した。
2.適正技術開発
食品排水、染色排水、皮革加工排水、ホテル排水、病院排水を処理する計9基のパイロットプラントを設置・運転・解析し、要求される性能を充足した。
3.人材育成
プログラム研修を153名が、見習研修を385名が修了した。
4.情報蓄積・情報サービス
排水処理適正技術マニュアルを作成した。排水処理に関する技術相談サ−ビスを継続的に実施した。
5.ネットワーク形成
それぞれ107名、175名の参加者を得て、国際会議を2回開催した。ホームページを開設し、利用に供した。ニュースレターを11号発行した。
このPUSTEKLIM事業によって、初期投資は6分の1以下、運転にかかわる電気消費は2分の1以下の技術が開発されました(図1,2)。

■PUSTEKLIMにおける技術開発面での達成
先進国の排水処理は、活性汚泥法*などの好気性処理を主体としたものが多いですが、活性汚泥法は処理水質こそ高いものの、電力消費が大きいのが難点です。それに対して嫌気性処理は、電力消費は低く抑えられますが、処理水の水質は劣ります。そこで、この事業では、排水をまず嫌気処理し、その後好気性処理で仕上げることによって、電気消費が少なく、かつ処理水質も良好なプロセスを試し、その有効性と妥当性を示しました。
途上国に適した好気性処理として回転円板の有効性を示し、 インドネシアにおいて、ヤシの繊維の回転円板と立体格子状接触体を用いた回転円板の二種の製造技術を確立しました。
嫌気性処理部分に関しては、排水の性状、利用可能なスペース、初期投資の制約、運転管理体制等を考慮して最適な選択をしていく必要があります。この事業では、上記3種類のプロセスを試すことで、それぞれの得失を明らかにしました。
■JICA開発パートナー事業終了後のPUSTEKLIM
開発パートナー事業終了後も、センターは自立的に排水処理設備の設計、製作、設置などの活動を続けています。事業実施中は8基、終了後には17基のプラント建設にたずさわりました(2006年8月現在)。
また、2005年12月には立体格子状接触体の金型が完成し、立体格子状接触体の現地生産が可能になりました。
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