■排水処理プロジェクトの技術内容
[回転円板に注目]アジア地域で排水処理を普及させるためには、先進国で通常行われている活性汚泥法*などの技術よりも格段に安価で運転管理が容易な技術が必要です。APEXでは、日本では一時期の不用意な導入によって下火となった回転円板式排水処理技術(※)が、実はその原理的な単純さ、運転の容易さ、電力消費の少なさなどにより、アジアに適した方式であることに着目し、1995年よりインドネシアでの実用化に向けて努力してきました。
※ 回転円板式排水処理技術
下図のように、断面が半円状の縦長の水槽に連続的に排水を流し、単一の軸に装着された多数の円板状の回転接触体を、その面積の4割程度が排水に漬かった状態(図1)で、ゆっくりと回転させるものです。そうすると、回転接触体の各部分は、排水中と空気中を交互に出入りすることになり、その表面に自然と微生物膜が形成されます。その微生物が空中から酸素をとり入れつつ、排水中の汚濁物質を吸収・分解し、排水を浄化するものです(図2)。

図1.回転円板の原理

図2. 排水の流れと微生物膜の形成
回転円板の中核部である回転接触体は、従来はもっぱらプラスチックでつくられてきました。APEXではディアン・ディサ財団と協力して、ヤシの繊維を用いた回転接触体を開発。100%現地生産を可能とし、製造コストを格段に下げることに成功しました。
ヤシの回転円板は広く適用可能なものですが、近代産業ではなかなか取り入れられにくく、また数年に一度は保守が必要になります。そのようなことからAPEXでは、回転円板では日本のトップメーカーであるセキスイエンバイロメント社(現在の積水アクアシステム社)と協力して、右上の写真のような廃プラスチック製の新しい回転円板(商品名「エスローテ」)をも開発しました。立体格子状の回転接触体を用いた画期的なもので、従来型の円板と比べて、実に3〜4倍ほども高い処理効率が得られます。この新しい回転円板は、日本およびインドネシアでその利用が進んでいます。
[排水処理適正技術センター事業への発展]
このような技術開発とともに、排水処理技術適正技術に関する国際会議の開催(1998年)や、パイロットプラントの建設(1999年)を行い、それらの活動の積み重ねが、2001年からの排水処理適正技術センターの事業の開始へとつながりました。
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